創作の風景

2009年1月26日(月)更新
 年末年始は久しぶりに休みました。大晦日と元旦は本当に、ただの一行も書きませんでした。それでも二日間が限度ですね。それ以上休んでしまうと、小説の感覚が容易に戻らなくなって、思うように書けるまで、かなり苦しい羽目に陥りますからね。
 1月2日から、また仕事を始めました。作家業には出社も、遅刻もありませんが、私は自分で決めた時間割で、規則正しく働くようにしています。結局のところ、それが最も楽な方法だからです。身体がリズムを覚えているので、条件反射的に書けるようになりますからね。とはいえ、こうなると、自分で書くというより、誰かに書かされている感が強くなる。特に「小説フランス革命」は、そうですね。
 連載分の原稿は1791年6月の、フランス王ルイ十六世の逃亡を書いています。規則正しいといえば、ルイ十六世やマリー・アントワネットの宮廷生活も、儀式や約束事の連続で、とても規則正しいものでした。息が詰まりそうにもみえますが、いったん身体にリズムを覚えさせてしまえば、案外と楽だったのかもしれません。かわりに生きている感覚は希薄だったかも…。革命が起きて、逃亡を企てざるをえなくなり、自分で行動することになって、初めて生の喜びを実感できたのかも…。そんなことを私に思わせたくらい、作中のルイ十六世は生き生きしていますよ。

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