この『小説フランス革命』は安心して読める。歴史的下調べの幅広さ、深さが感じられる。しかも、すぱっと分かりよく、簡潔に、その時点での事情が提示される。そしてまさしく小説である。〔…〕断固として、フランス革命そのものを描き出している。
『バスティーユの陥落 小説フランス革命3』(文庫解説より)

革命に関わった人々は、それぞれ表に見えない困難や苦悩を抱えていた。〔…〕そんな個々の思想と言動が複雑にぶつかりあうことで生まれる大きな力。そうしたダイナミズムこそが、フランス革命史における物語としての醍醐味となっているのだ。
『シスマの危機 小説フランス革命6』(文庫解説より)

〔革命時のフランス国家の〕赤字がどんどん膨らんで財政再建の論議が喧しくなるあたり、なんとも今日的ではないか。ましてや世界的に未曾有の金融危機にあるなか、EU諸国の国家が破綻に瀕している状況を見るにつけ、この小説がリアルに思えてくる。
『戦争の足音 小説フランス革命9』(文庫解説より)

今の日本は、革命前夜のフランスとよく似ています。
深刻な経済破綻や失業問題など、今の日本の状況は革命前夜のフランスととてもよく似ています。
(佐藤賢一氏談)

佐藤賢一は、本来ならデュマが書くべきだった革命とナポレオンの時代の歴史を、「自分で読む」ために「書いた」のだ。〔…〕だから、『小説フランス革命』は、さながらデュマが筆を執ったら、かくあらんと思わせるような筆致と方法で書かれている。
『バスティーユの陥落 小説フランス革命2』(文庫解説より)

昨日の左は今日の右と、次々と断頭台の露と消えていく革命の後半〔…〕、佐藤賢一がいかなる展開と人物像を刻んでみせるか、〔中江〕兆民いうところの「一大院劇」の「俳優たち」が、なにを、いかにして演ずるか、〔…〕まことに興味深いものがあるのである。
『議会の迷走 小説フランス革命5』(文庫解説より)

歴史に「もしも」はないけれども、「いま」と「これから」を考えるためには、歴史をよく振り返る必要があります。「いま」を知るためには、フランス革命を知らなければならない。『小説フランス革命』はまさに現代人必読の物語なのです。
『フイヤン派の野望 小説フランス革命8』(解説より)

先駆の自負 歴史と格闘日本は『変わらなきゃ』と十何年言い続けて結局変わらないという絶望感がある。革命に〝変え方〟を学ぶこともできるのではないか。
(佐藤賢一氏談)

フランス革命の前に〔…〕大飢饉があり、これによる不満が、革命につながりました。〔東日本大震災の〕復興に手間取る政治家たちの右往左往ぶりに怒る国民。次の革命が起こることになるのか。そんなことを考えながら、この本を読むことをお勧めします。
『革命のライオン 小説フランス革命1』(文庫解説より)

折しも、日本は、大きな変化の時を迎えている。〔…〕変革の時を迎えている日本。フランス革命時とは、時代も国柄も異なるけれども、小説を貫くいくつかのモティーフは、私たちが生きる「今、ここ」に、深く大きな示唆を与えるだろう。
『聖者の戦い 小説フランス革命4』(文庫解説より)

大きな軋みをあげて世の中が動いてしまうとき、その動きは、崇高さも醜さも含めて、人間の様々な本質的な姿を炙り出すものだと思う。〔…その中で〕身動きのままならなかった一人の王の、極めて人間的な心の動きに寄り添う楽しみを、本書は与えてくれる。
『王の逃亡 小説フランス革命7』(文庫解説より)

古今東西を問わず、先の見えない時代に追いつめられた時、人間は信じられない力を発揮する。
(佐藤賢一氏談)