上から、軍人勅諭、陸軍・海軍階級一覧、アジア太平洋 戦争関連地図(Gアジア太平洋戦争収録の資料の数々) 江成常夫「原爆ドーム」1986年/ 被曝直後の浦上天主堂 1945年 鶴田吾郎「神兵パレンバンに降下す」1942年 |
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戦後生まれの戦争文学に造詣の深い小説家や文芸評論家、歴史家が編集委員を務めることで、直接的に日本が関与しなかった現代の戦争を扱った小説をはじめ、日本語で書かれた外国人作家の作品を積極的に採用するなど、新しい試みが可能になった。 | ||
短い時間で作品が味わえるよう中・短編小説を中心に構成。同時に、収録対象を「日本語で書かれた作品」とし、朝鮮・韓国・台湾・アメリカ・イランなど、多くの異なる地域の作家の作品を収録。さまざまな立場から見た戦争が浮き彫りに。 | ||
植民地時代の文芸誌、戦後まもない頃の小説誌まで対象範囲を広げ、およそ15,000作品を調査。現在では手に入りにくい作品を、数多く収録した。 | ||
編集委員による行き届いた解説とともに、一般には分かりにくい軍隊の組織などの資料を、各巻の必要に応じ作成。年表、地図も付し、時代背景を踏まえて作品の理解が深まるよう配慮した。 | ||
書家・華雪氏の書き下ろしによる「一文字」を各巻の装幀に使用。収録された作品のイメージを象徴する、いわばサブタイトルともいうべき存在である。 | ||
気鋭のデザイナー、クラフト・エヴィング商會がブックデザインを担当。読者が手に取りやすいよう外箱はつけず、一冊の単行本としても見栄えのする、コンパクトで現代的な装幀に仕上がった。 | ||
膨大な作品群を「現代編」「近代編」「テーマ編」「地域編」の四つのジャンルに分類。純文学からエンターテインメント小説はもちろんのこと、戯曲、詩、短歌、俳句、川柳、そして一部ノンフィクションまでさまざまな分野の秀作を精選。 | ||
それぞれの「戦争」が当時どのようにイメージ化され、表現されてきたか。巨匠による従軍画をはじめ、絵画から貴重な写真、日本軍が発行していた雑誌の挿絵、ポスターなど、広範囲に収録。 | ||
数少なくなりつつある戦争体験者へのインタビューは、貴重な証言や提言を中心に構成。またアメリカ、韓国、べトナムなど世界各国の戦争文学について論じたコラムを設けた。 |