●全20巻+別巻1 セット本体¥75,600+税 ●四六判ハードカバー/角背 ●各巻640ページ〜840ページ/一段組 ●カラー口絵、註・資料・月報付き ●装幀=クラフト・エヴィング商會 ※タイトル内容は変更になる場合があります。
巻数
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シリーズ 収録作品
8 2011-06 【近代編】

日清日露の戦争から敗戦まで! 戦争文学の中核
『アジア太平洋戦争』

開戦の高揚から一年を経ずして、戦いは、転戦、玉砕、特攻へと急転。凄惨な戦場があばく「聖戦」の末路。

解説= 浅田次郎

太宰 治  『待つ』
上林 暁  『歴史の日』
高村光太郎 『十二月八日の記』
豊田 穣  『真珠湾・その生と死』
野間 宏  『バターン白昼の戦』
下畑 卓  『軍曹の手紙』
北原武夫  『嘔気』
庄野英二  『船幽霊』
火野葦平  『異民族』
中山義秀  『テニヤンの末日』
三浦朱門  『礁湖』
梅崎春生  『ルネタの市民兵』
江崎誠致  『渓流』
大城立裕  『亀甲墓』
吉田 満  『戦艦大和ノ最期』(初出形)
島尾敏雄  『出発は遂に訪れず』
川端康成  『生命の樹』
三島由紀夫 『英霊の声』
吉村 昭  『手首の記憶』
蓮見圭一  『夜光虫』
19 2011-06 【地域編】

都市、島、植民地、新国家! それぞれの場所に刻まれた戦争の傷痕
『ヒロシマ・ナガサキ』

原爆投下の言語を絶する惨状。さらには水爆、原発へと拡大する現在の核状況を直視した被爆国日本のメッセージ。

解説=成田龍一

原 民喜  『夏の花』
大田洋子  『屍の街』
林 京子  『祭りの場』
川上宗薫  『残存者』
中山士朗  『死の影』
井上ひさし 『少年口伝隊一九四五』
井上光晴  『夏の客』
美輪明宏  『戦』
後藤みな子 『炭塵のふる町』
金在南   『暗やみの夕顔』
青来有一  『鳥』
橋爪 健  『死の灰は天を覆う』
大江健三郎 『アトミック・エイジの守護神』
水上勉   『金槌の話』
小田 実  『「三千軍兵」の墓』
田口ランディ『似島めぐり』
◎詩歌 栗原貞子『生ましめんかな』 峠 三吉『八月六日』 山田かん『浦上へ』 正田篠枝(短歌) 竹山 広(短歌) 三橋敏雄(俳句) 松尾あつゆき(俳句) ◎川柳
4 2011-08 【現代編】

「戦後の戦争」を題材に! 新しい文学を収録
『9・11 変容する戦争』

9・11以降、イラク、アフガンと今も戦争はつづく。冷戦後、変わりつつある戦争の姿をとらえた新しい文学。

解説=高橋敏夫

リービ英雄 『千々にくだけて』
日野啓三  『新たなマンハッタン風景を』
小林紀晴  『トムヤムクン』
宮内勝典  『ポスト9・11』
池澤夏樹  『イラクの小さな橋を渡って』
米原万里  『バグダッドの靴磨き』
岡田利規  『三月の5日間』
小田 実  『武器よ、さらば』
楠見朋彦  『零歳の詩人』
平野啓一郎 『義足』
重松 清  『ナイフ』
辺見 庸  『ゆで卵』
島田雅彦  『燃えつきたユリシーズ』
笙野頼子  『姫と戦争と「庭の雀」』
シリン・ネザマフィ  『サラム』
◎詩歌 谷川俊太郎『おしっこ』 三枝昂之(短歌) 藤井貞和『アメリカ政府は核兵器を使用する』  中村 純『静かな朝に目覚めて』 岡野弘彦(短歌) ◎川柳
5 2011-09 【現代編】

「戦後の戦争」を題材に! 新しい文学を収録
『イマジネーションの戦争』

空想された時空や寓話のなかの戦争。戦争の本当の姿をとらえるために、作家たちが描く「もうひとつの戦争」。

解説=奥泉 光

芥川龍之介 『桃太郎』
安部公房  『鉄砲屋』
筒井康隆  『通いの軍隊』
伊藤計劃  『The Indifference Engine』
モブ・ノリオ『既知との遭遇』
宮沢賢治  『烏の北斗七星』
小松左京  『春の軍隊』
秋山瑞人  『おれはミサイル』
三崎亜記  『鼓笛隊の襲来』
青来有一  『スズメバチの戦闘機』
星野智幸  『煉獄ロック』
星 新一  『白い服の男』
山本 弘  『リトルガールふたたび』
田中慎弥  『犬と鴉』
稲垣足穂  『薄い街』
内田百フ  『旅順入城式』
高橋新吉  『うちわ』
赤川次郎  『悪夢の果て』
小島信夫  『城壁』
6 2011-10 【近代編】

日清日露の戦争から敗戦まで! 戦争文学の中核
『日清日露の戦争』

近代国家の成立とともに大陸へと侵攻をはじめた「帝国日本」。ここから長い「戦争の時代」の幕が開く。

解説=川村 湊

萩原朔太郎 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』
山城正忠  『九年母』
泉 鏡花  『凱旋祭』
岩井志麻子 『依って件の如し』
田山花袋  『一兵卒』
宇野千代  『日露の戦聞書』
新田次郎  『長崎のハナノフ』
森 鴎外  『鼠坂』
新美南吉  『張紅倫』
稲垣足穂  『人工戦争』
津原泰水  『土の枕』
矢野一也  『誰殺了』
木村 毅  『兎と妓生と』
松岡静雄  『南国の思出』
長与善郎  『誰でも知っている』
黒島伝治  『橇』
久世光彦  『尼港の桃』
陳舜臣   『その人にあらず』
獅子文六  『出る幕』
もりたなるお『物相飯とトンカツ』
石川 淳  『マルスの歌』
◎詩歌 与謝野晶子『君死にたまふこと勿れ』 中里介山『乱調激韵』 阪井久良岐(川柳) 井上剣花坊(川柳)
13 2011-11 【テーマ編】

戦争の非人間性をあばく! 銃後の生活と軍隊の諸相
『死者たちの語り』

戦いで無念のうちに死んだ者たちが、生者たちに訴える癒されぬ魂の叫び。戦争が生み出した幻想文学の精髄。

解説=高橋敏夫

小川未明  『野ばら』
夏目漱石  『趣味の遺伝』
江戸川乱歩 『芋虫』
小島信夫  『小銃』
安部公房  『変形の記録』
三橋一夫  『夢』
真杉静枝  『深い靄』
吉屋信子  『生死』
江崎誠致  『帰郷』
船越義彰  『カボチャと山鳩』
井上ひさし 『父と暮せば』
石田耕治  『流れと叫び』
中井正文  『名前のない男』
色川武大  『蒼』
三枝和子  『夾竹桃同窓会』
小川国夫  『聖女の出発』
奥泉 光  『石の来歴』
浅田次郎  『遠別離』
目取真 俊 『水滴』
◎詩歌 鮎川信夫『死んだ男』 石原吉郎『葬式列車』 加藤楸邨(俳句) 秋元不死男(俳句)  草野心平『マンモスの牙』 木俣 修(短歌) 山中智恵子(短歌) ◎川柳
7 2011-12 【近代編】

日清日露の戦争から敗戦まで! 戦争文学の中核
『日中戦争』

一九三七年七月、盧溝橋からはじまった日中戦争。次第に泥沼化する戦争のなかに生きる兵士と住民たちの悲劇。

解説=浅田次郎

胡桃沢耕史 『東干』
日比野士朗 『呉淞クリーク』
武田麟太郎 『手記』
石川達三  『五人の補充将校』
火野葦平  『煙草と兵隊』
田中英光  『鈴の音』
伊藤桂一  『黄土の記憶』
小林秀雄  『戦争について』
和辻哲郎  『文化的創造に携わる者の立場』
田村泰次郎 『蝗』
駒田信二  『脱出』
檀 一雄  『照る陽の庭』
田中小実昌 『岩塩の袋』
藤枝静男  『犬の血』
五味川純平 『不帰の暦』
棟田 博  『軍犬一等兵』
富士正晴  『崔長英』
阿川弘之  『蝙蝠』
14 2012-01 【テーマ編】

戦争の非人間性をあばく! 銃後の生活と軍隊の諸相
『女性たちの戦争』

銃後に生きる女性や子どもたちは戦争とどう向き合ったのか。戦争を支えつつも、踏みにじられていく悲しい姿。

解説=川村 湊・成田龍一

大原富枝  『祝出征』
長谷川時雨 『時代の娘』
中本たか子 『帰った人』
上田芳江  『焔の女』
瀬戸内晴美(寂聴)『女子大生・曲愛玲』
吉野せい  『鉛の旅』
藤原てい  『襁褓』
田辺聖子  『文明開化』
河野多恵子 『鉄の魚』
大庭みな子 『むかし女がいた』
石牟礼道子 『木霊』
壺井 栄  『おばあさんの誕生日』
高橋揆一郎 『ぽぷらと軍神』
竹西寛子  『兵隊宿』
司 修   『銀杏』
一ノ瀬 綾 『黄の花』
冬 敏之  『その年の夏』
寺山修司  『誰でせう』『玉音放送』
三木 卓  『鶸』
小沢信男  『わたしの赤マント』
向田邦子  『字のない葉書』『ごはん』
阿部牧郎  『見よ落下傘』
鄭承博   『裸の捕虜』
◎詩歌 五島美代子(短歌) 中村汀女(俳句) 石垣りん『家族旅行』 吉原幸子『空襲』
16 2012-02 【地域編】

都市、島、植民地、新国家! それぞれの場所に刻まれた戦争の傷痕
『満洲の光と影』

五族協和を謳い「建国」された満洲国。内地から押しよせた人々はいかにして夢を追い、その崩壊を体験したか。

解説=川村 湊

伊藤永之介 『万宝山』
徳永 直  『先遣隊』
牛島春子  『福寿草』
今村栄治  『同行者』
野川 隆  『狗宝』
竹内正一  『流離』
八木義徳  『劉広福』
水上 勉  『小孩』
三木 卓  『われらアジアの子』
長谷川四郎 『張徳義』
里見 怐@ 『みごとな醜聞』
清岡卓行  『サハロフ幻想』
村上春樹  『動物園襲撃(あるいは要領の悪い虐殺)』
坪田譲治  『包頭の少女』
森川 譲  『ホロゴン』
宮尾登美子 『満州往来について』
◎詩歌 逸見猶吉『歴史』
15 2012-03 【テーマ編】

戦争の非人間性をあばく! 銃後の生活と軍隊の諸相
『戦時下の青春』

内地に残る若き兵士、動員される学徒、疎開する家族、空襲に逃げまどう人々。戦争末期の生活の諸相を描破。

解説=浅田次郎

中井英夫  『見知らぬ旗』
小林 勝  『軍用露語教程』
吉行淳之介 『焔の中』
三浦哲郎  『乳房』
江戸川乱歩 『防空壕』
井上光晴  『ガダルカナル戦詩集』
高橋和巳  『あの花この花』
上田 広  『指導物語』
永井荷風  『勲章』
川崎長太郎 『徴用行』
石川 淳  『明月珠』
太宰 治  『薄明』『たずねびと』
井伏鱒二  『疎開記』『疎開日記』
池波正太郎 『キリンと蟇』
坂口安吾  『アンゴウ』
結城信一  『鶴の書』
内田百フ  『その一夜』
古井由吉  『赤牛』
高井有一  『櫟の家』
前田純敬  『夏草』
野坂昭如  『火垂るの墓』
井上 靖  『三ノ宮炎上』
2 2012-04 【現代編】

「戦後の戦争」を題材に! 新しい文学を収録
『ベトナム戦争』

ペンとカメラを携え、戦場に駆けつけた作家やカメラマン。銃弾が飛びかうなか、彼らが伝えた戦争の現実。

解説=奥泉 光

開高 健  『岸辺の祭り』『姿なき狙撃者! ジャングル戦』
日野啓三  『向う側』
南木佳士  『重い陽光』
辺見 庸  『迷い旅』
吉岡 忍  『綿の木の嘘』
岡村昭彦  『南ヴェトナム前線へ』
石川文洋  『南ベトナム海兵大隊』
沢田教一  『17度線の激戦地を行く』
松本清張  『ハノイからの報告』
一ノ瀬泰造 『カンボジア報告』
又吉栄喜  『ジョージが射殺した猪』
中上健次  『日本語について』
堀田善衞  『名を削る青年』
村上 龍  『地獄の黙示録』
小田 実  『戦争』
20 2012-05 【地域編】

都市、島、植民地、新国家! それぞれの場所に刻まれた戦争の傷痕
『オキナワ 終わらぬ戦争』

住民に多大な犠牲を強いた沖縄戦、戦後は基地の島として苦難を生きる。沖縄の「戦争」は今もつづいている。

解説=高橋敏夫

長堂英吉  『海鳴り』
知念正真  『人類館』
霜多正次  『虜囚の哭』
大城立裕  『カクテル・パーティー』
又吉栄喜  『ギンネム屋敷』
吉田スエ子 『嘉間良心中』
目取真 俊 『平和通りと名付けられた街を歩いて』
田宮虎彦  『夜』
岡部伊都子 『ふたたび「沖縄の道」』
灰谷健次郎 『手』
桐山 襲  『聖なる夜 聖なる穴』
◎詩歌 山之口 貘『沖縄よどこへ行く』 高良 勉『アカシア島』 ◎川柳
1 2012-06 【現代編】

「戦後の戦争」を題材に! 新しい文学を収録
『朝鮮戦争』

敗戦からわずか五年、隣国で勃発した戦争に日本人作家は何を見、在日作家は、民族の悲劇をいかに描いたか。

解説=川村 湊・成田龍一

金石範   『鴉の死』
張赫宙   『眼』
北 杜夫  『浮漂』
日野啓三  『無人地帯』
中野重治  『司書の死』
松本清張  『黒地の絵』
金達寿   『孫令監』
下村千秋  『痛恨街道』
田中小実昌 『上陸』
佐多稲子  『車輪の音』
小林 勝  『架橋』
野呂邦暢  『壁の絵』
佐木隆三  『奇蹟の市』
◎詩歌 近藤芳美(短歌) 吉田 漱(短歌) 谷川 雁『丸太の天国』 江島 寛『突堤のうた』 鈴木しづ子(俳句)
9 2012-07 【近代編】

日清日露の戦争から敗戦まで! 戦争文学の中核
『さまざまな8・15』

日本人は敗戦の日をどう迎えたか。困難を極めた抑留・引揚げ。捕虜そして復員。混乱のなかの「新生日本」。

解説=成田龍一

中野重治  『四人の志願兵』
河野多恵子 『遠い夏』
島尾敏雄  『その夏の今は』『(復員)国破れて』
島尾ミホ  『御跡慕いて』
長堂英吉  『我羅馬テント村』
太田良博  『黒ダイヤ』
牛島春子  『ある旅』
梶山季之  『性欲のある風景』
岡松和夫  『異邦人』
古処誠二  『ワンテムシンシン』
藤原てい  『三十八度線の夜』
庄司 肇  『熱のある手』
木山捷平  『耳学問』
新田次郎  『豆満江』
林芙美子  『雨』
太宰 治  『未帰還の友に』
井伏鱒二  『復員者の噂』
霜多正次  『波紋』
石原吉郎  『望郷と海』
加賀乙彦  『雪の宿』
◎詩歌 茨木のり子『わたしが一番きれいだったとき』 中村草田男(俳句) 中桐雅夫『戦争』 上林猷夫『戦争が終った時』 ◎川柳
10 2012-08 【近代編】

日清日露の戦争から敗戦まで! 戦争文学の中核
『オキュパイド ジャパン』

焼け跡のなかに闇市が生まれ、街には進駐軍のジープが走る。激変する「占領下日本」で逞しく生きる人々の姿。

解説=成田龍一

志賀直哉  『灰色の月』
石川 淳  『焼跡のイエス』
椎名麟三  『深夜の酒宴』
山田風太郎 『黒衣の聖母』
田宮虎彦  『異端の子』
吉行淳之介 『廃墟の眺め』
野坂昭如  『あゝ日本大疥癬』
田中小実昌 『ミミのこと』
中野重治  『おどる男』
安岡章太郎 『ガラスの靴』
西野辰吉  『C町でのノート』
内田百フ  『爆撃調査団』
豊川善一  『サーチライト』
大江健三郎 『人間の羊』
大原富枝  『こだまとの対話』
木下順二  『神と人とのあいだ』
遠藤周作  『松葉杖の男』
城山三郎  『爆音』
阿部 昭  『大いなる日』
李恢成   『証人のいない光景』
◎詩歌 齋藤茂吉(短歌) 吉本隆明『一九四九年冬』 ◎川柳
17 2012-09 【地域編】

都市、島、植民地、新国家! それぞれの場所に刻まれた戦争の傷痕
『帝国日本と朝鮮・樺太』

皇民化を強いられ、戦争に巻きこまれていく朝鮮の人々、朝鮮を故郷とする日本の子ら。日本支配の深い傷を見る。

解説=川村 湊

中島 敦  『巡査の居る風景』
張赫宙   『岩本志願兵』
鄭人沢   『かえりみはせじ』
金史良   『草深し』
田中英光  『碧空見えぬ』
梶山季之  『族譜』
湯浅克衛  『カンナニ』
小林 勝  『フォード・一九二七年』
李淳木   『冬の橋』
森崎和江  『土塀』
後藤明生  『一通の長い母親の手紙』
冬木 憑  『和人』
譲原昌子  『朝鮮ヤキ』
吉田知子  『豊原』
渡辺 毅  『ぼくたちの〈日露〉戦争』
李恢成   『砧をうつ女』
3 2012-10 【現代編】

「戦後の戦争」を題材に! 新しい文学を収録
『冷戦の時代』

米ソの対立、核戦争の恐怖。大国の論理に翻弄される人間模様。そして「平和日本」に誕生した自衛隊とは?

解説=奥泉 光

五木寛之  『蒼ざめた馬を見よ』
長谷川四郎 『反共主義』
辻 邦生  『叢林の果て』
筒井康隆  『台所にいたスパイ』
開高 健  『エスキモー』
武田泰淳  『「ゴジラ」の来る夜』
三島由紀夫 『F104』
野呂邦暢  『草のつるぎ』
浅田次郎  『若鷲の歌』
宮本 輝  『紫頭巾』
堀田善衞  『広場の孤独』
◎詩歌 黒田喜夫『ハンガリヤの笑い』 本邦雄(短歌) 飯島耕一『アメリカ交響楽』
11 2012-11 【テーマ編】

戦争の非人間性をあばく! 銃後の生活と軍隊の諸相
『軍隊と人間』

徴兵を忌避する若者、兵営内で吹き荒れる私刑、軍隊への死を賭した反抗。兵士たちの深い嘆きと隠された肉声。

解説=浅田次郎

細田民樹  『日露のおじさん』
梅崎春生  『崖』
渡辺 清  『海の城』
村上兵衛  『連隊旗手』
菊村 到  『しかばね衛兵』
古処誠二  『糊塗』
結城昌治  『従軍免脱』
野間 宏  『第三十六号』
吉田絃二郎 『清作の妻』
浜田矯太郎 『にせきちがい』
中村きい子 『間引子』
吉行淳之介 『藺草の匂い』
柴田錬三郎 『仮病記』
松本清張  『厭戦』
田村泰次郎 『地雷原』
洲之内 徹 『棗の木の下』
18 2012-12 【地域編】

都市、島、植民地、新国家! それぞれの場所に刻まれた戦争の傷痕
『帝国日本と台湾・南方』

反乱を起こす「蕃社」の人々、志願兵となる台湾の若者たち。南方や南洋の島々に残された支配と戦争の傷痕。

解説=川村 湊

佐藤春夫  『奇談』
伊藤永之介 『総督府模範竹林』
真杉静枝  『南方の言葉』
周金波   『志願兵』
龍瑛宗   『若い海』
楊 逵   『増産の蔭に』
日影丈吉  『虹』
邱永漢   『密入国者の手記』
池宮城積宝 『蕃界巡査の死』
大鹿 卓  『野蛮人』
中村地平  『霧の蕃社』
坂口 れい子 『蕃婦ロポウの話』
高見 順  『諸民族』
森 三千代 『国違い』
海音寺潮五郎 『コーランポーの記』
阿部知二  『あらまんだ』
戸石泰一  『待ちつづける「兵補」』
窪田 精  『春島物語』
池澤夏樹  『ホセさんの尋ね人』
辻原 登  『枯葉の中の青い炎』
◎詩歌 金子光晴『馬拉加』『Memo』 春日井 建(短歌)  金子兜太(俳句)
12 2013-01 【テーマ編】

戦争の非人間性をあばく! 銃後の生活と軍隊の諸相
『戦争の深淵』

住民虐殺、毒ガス、捕虜の生体実験。人間はいかなる状況のもとで獣と化すのか。戦争の非人間性の極みを直視。

解説=高橋敏夫

大岡昇平  『捉まるまで』
富士正晴  『童貞』
有馬頼義  『分身』
古山高麗雄 『白い田圃』
田村泰次郎 『裸女のいる隊列』
遠藤周作  『海と毒薬』
平林たい子 『盲中国兵』
田口ランディ 『死の池』
武田泰淳  『ひかりごけ』
浅田次郎  『雪鰻』
梁石日   『さかしま』
宮原昭夫  『炎の子守唄』
吉村 昭  『遠い幻影』
金石範   『乳房のない女』
◎詩歌 秋山 清『象のはなし』 栗林一石路(俳句) 鈴木六林男(俳句) 渡辺白泉(俳句) 長田 弘『吊るされたひとに』 井上光晴『屍体の実験』 岡井 隆(短歌) 馬場あき子(短歌) ◎川柳 鶴彬 他
別巻 2013‐09 【資料編】

[Ⅰ]〈戦争と文学〉の一五〇年








[Ⅱ]〈戦争と文学〉長編作品紹介












[Ⅲ]〈戦争と文学〉年表 1893〜1989

日清・日露戦争の時代      宗像和重
第一次世界大戦の時代      中山弘明
日中戦争の時代      中谷いずみ
太平洋戦争前後の時代      紅野謙介
朝鮮戦争・ベトナム戦争の時代      坪井秀人
冷戦の終結と新たな戦争の時代      陣野俊史
エンターテインメント小説と戦争      杉江松恋
SF小説と戦争      大森望

『不如帰』
徳冨蘆花
『或る青年の夢』
武者小路実篤
『兵隊三部作』
火野葦平
『満鉄外史』
菊池寛
『真空地帯』
野間宏
『人間の條件』
五味川純平
『笹まくら』
丸谷才一
『坂の上の雲』
司馬遼太郎
『夏の闇』
開高健
『蒲生邸事件』
宮部みゆき
『スカイ・クロラ』
森博嗣
『東京プリズン』
赤坂真理 ほか

その他、コレクション戦争×文学 収録作品索引など


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〒101-8050東京都千代田区一ツ橋2-5-10 戦争と文学編集部(高橋)宛