武人の誇り、人としての信義…。
それぞれの生と死に決着をつける、人生の物語。

岳飛の剣を吹き飛ばした若い男は、「子供か」と言った。これが楊令との屈辱的な出会いだった――南宋の宰相・秦檜の元で軍閥になった岳飛。金国との戦い方をめぐって、秦檜と対立を深め、絶体絶命の危機に陥るが、ある者たちが動き……。一方、梁山泊を離れ、南方に新天地「小梁山」を切り拓いた者たちは、甘蔗を栽培し、生活を営み始める。老いてなお強烈な個性を発揮する旧世代と力強く時代を創る新世代。いくつもの人生が交錯するシリーズ最終章。

*『岳飛伝』単行本16巻収録の地図をもとに作成
物語の舞台は中国大陸だけではなく、交易路の確保により日本や西域、さらには湄公河(メコン川)流域にまで広がる。史実における南宋と金国の攻防戦や原典の要素をもとに、熾烈を極めた南宋・金国・梁山泊の戦いが展開。