- 沼野充義=編
編集協力=高橋知之ドストエフスキーがいまだに「現代的」な作家と呼ばれるのは、なんと言っても、彼が現代の様々な深刻な問題を先取りした、いや単に先取りするだけではなくて、深く本質的な形でそれをとらえ切っていたからである。だから彼の文学には、時代を超えていまも変わらず「最先端」と感じさせる鋭さと重さがある。……いよいよ「神なき」時代に突入しつつある現代人にとって、彼の問いかけは重く響く。(沼野充義・解説より)
収録内容:白夜/未成年(縮約版)/ステパンチコヴォ村とその住人たち(抄)/四大長篇読みどころ『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマードフの兄弟』/書簡でたどるドストエフスキーの生活定価:本体1,300円+税
発売日:2016年7月20日
- 「四大長篇読みどころ『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』」
沼野充義・解説/小泉猛、高橋知之、番場俊、江川卓・訳
ドストエフスキーの代表的な長篇4作品について、それぞれのエッセンスが詰まった“読みどころ”を沼野充義が語る! 『悪霊』の“刊行されなかった”章とは? 『カラマーゾフの兄弟』でのイワンとアリョーシャの対話、その意味するところとは? 既読の読者もこれからの人も必見のドストエフスキー解説。 - 「未成年」奈倉有里・訳
出生に複雑な要素がからんだため、父ヴェルシーロフとぎくしゃくした関係にある、20歳の青年アルカーヂイ。理想主義者の未熟な青年は、父への強い反抗心と社会への不満、そして淡い恋心を抱えつつ日々悶々と過ごしていたが、親戚の遺産相続問題をきっかけに徐々に現実に打ちのめされていき……。ヒリヒリするような若者の“青い”視点からさまざまな人生の本質を描き出す、ドストエフスキー、最後の長篇。 - 「ステパンチコヴォ村とその住人たち」高橋知之・訳
おじであるロスタネフ大佐に招かれて、ステパンチコヴォ村を訪れたセルゲイ。だがそこでは、善良すぎるおじが居候のフォマーに言いくるめられ、ついにはフォマーが家の全権を握るという逆転現象が起こっていた!? フォマーに心酔しきっているおじの母、おじの子供たちの家庭教師である美しいナースチェンカなど、個性豊かなキャラクターが活躍する、ドタバタ大騒動のユーモア群像劇。
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