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加賀乙彦 編 編集協力 乗松亨平
本書に収録した私の要約『戦争と平和』は、トルストイの小説の持つ、史実とフィクションの関係をなるべくわかりやすく読者に伝えたくて試みたものである。これを読んで面白さを覚えた人はぜひとも大長編の全部を読んでいただきたい。……トルストイは人間の意識と肉体を描く小説の巧手である。いやいや、天才というべきである。 (加賀乙彦・解説より)
収録内容:戦争と平和(ダイジェストと抄訳)/五月のセヴァストーポリ/吹雪/イワンのばか/セルギー神父/ハジ・ムラート/舞踏会の後で/壺のアリョーシャ定価:本体1,300円+税
発売日:2016年1月20日
- 「戦争と平和」原久一郎/原卓也・訳、加賀乙彦・ダイジェスト
ナポレオン戦争をはじめとする歴史的背景を舞台に、ロシア貴族の青年たちの興亡と恋模様を描いた大河小説「戦争と平和」。美しく天真爛漫な次女ナターシャ、律儀でやさしい長兄ニコライ、あどけない末っ子ペーチャ、この兄弟を取り巻く人々それぞれを主人公とした物語は、歴史に翻弄されながらひとつの大きなうねりとなり、大長編の中に組み込まれていく。本書ではそれを抄訳とダイジェストで300Pに圧縮して紹介する。 - 「セルギー神父」覚張シルビア・訳
完璧主義の青年将校は、婚約者の過去を知って絶望し、俗世間より上に立つために修道院に入る。だがそこも俗世と同様、虚栄や偽善にまみれた世界だった。長老からの教えで、隠遁生活を送ることになるが……。神の意思とは、本当の善行とは何なのか。ロシア正教に疑念をもっていたトルストイの真の信仰を求める姿が垣間見える一作。 - 「ハジ・ムラート」中村唯史・訳
チェチェン山岳民族としてロシア政府に激しく抵抗したミュリディズムの人々。彼らはイスラム教に基づく神政統一国家を目指していた。その太府のひとりハジ・ムラートは軍事的天才と謳われた実在の人物である。彼はなぜロシア帝国に投降したのか。コーカサス戦争を舞台に、宗教と民族をめぐるイスラムとロシアの対立やその動乱のさまを生き生きと描く。
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