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野崎 歓 編 編集協力 博多かおる
個人や社会の暗部に深く測鉛を下ろして、ときにはおぞましい真実をも明るみに出し、野心の挫折や運命の無情を好んで主題としながら、バルザックの小説はつねにポジティヴな生命感を失わず、人生へのあくなき好奇心と愛着をにじませています。そこに並はずれた創造者バルザック自身の精神の脈動を感じとらずにはいられません。……本書をひとつの入口として、読者がバルザックの築いた大伽藍の探検に乗り出されますよう! (野崎 歓・解説より)
収録内容:ゴリオ爺さん/幻滅(抄)/
浮かれ女盛衰記 第四部 定価:本体1,300円+税
発売日:2015年12月17日
- 「ゴリオ爺さん」博多かおる・訳
溺愛するふたりの娘に大金をせがまれどんどん困窮していくゴリオ爺さん、美貌と才気を活かしパリ社交界で出世をたくらむ青年ラスティニャック、大悪人の正体を隠しつつ飄々と暮らす悪党ヴォートラン。貧しき下宿ヴォケー館を中心に、それぞれの思惑が絡み合う。
大構想『人間喜劇』を目指したバルザックの代表作。 - 「幻滅」野崎歓・訳
意志薄弱で詩人肌の美青年シュリアン。パリでの成功を夢見るが挫折し、しかも巧妙な罠にかかり親友と妹を窮地に追い込んでしまう。もう自殺しかない、そう考えて川に向かうが、そこで出会ったのは素性の怪しいスペイン人神父、またの名をヴォートランであった。
悲観の青年に対し独自の道徳論を説く神父のその裏にある心とは? - 「浮かれ女盛衰記第四部」田中未来・訳
リュシアンと手を組んでパリ社交界と政治界の攻略に乗り込んだヴォートラン。だが利用するはずだったリュシアンの愛人が自殺したことにより、冤罪でふたりは逮捕され、リュシアンは自ら死を選ぶ。悲嘆にくれるヴォートランだが、これでもぬけの殻になるような男ではない。ここから大悪党の進撃が始まる……! 罪人御用達の隠語“符牒(ちょうふ)”が盛りだくさんの、群像劇の真骨頂。
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