こんなミステリを、
私たちはずっと待っていた!!
ビーバーイーツ配達員として日銭を稼ぐ大学生の「僕」は、
注文を受けて向かった怪しげなレストランで、オーナーシェフと出会う。
彼は虚空のような暗い瞳で、「お願いがあるんだけど。報酬は1万円」と、
嘘みたいな儲け話を提案し、あろうことか僕はそれに乗ってしまった。
そうして多額の報酬を貰っているうちに、僕はあることに気づく。
どうやらこの店は「ある手法」で探偵業も担っているらしい、と。
不自然な焼死体が出たアパート火災、空室に届き続ける置き配、
謎の言葉を残して捕まった空き巣犯、なぜか指が二本欠損した状態の轢死体……。
オーナーは、配達員に情報を運ばせることで、どんな謎も華麗に解いてしまう。
そして、配達員にこう伝えるのだ。
――「口外したら、命はない」と。
驚嘆の声続々!
「#真相をお話しします」でもリアリティのある『今この時代だからこそ』のミステリを楽しませてもらいましたが、今作も本当にどれも「うわーーーー!そーきたかー!」と唸るものばかりで大変美味しく、ミステリ腹が満たされました。こちらおかわりは。続編はあるでしょうか。
満たされたところですが続編があると嬉しいです。
オードブルからメインディッシュまで十分堪能させていただきました。読者の心をくすぐるミスリードの数々と伏線の回収は、今回も結城先生独特の味付けでした。最後の最後まで騙され続ける快感も一緒に味わって欲しい傑作です。
でも何がどう面白いかを説明するのがすごく難しく、もどかしい…とにかく読んでみて!としか言えない。 1冊の本を読むのに、こんなにワクワクしたりドキドキしたりハラハラしたりビックリしたりキョトンとしたり…と、感情の変化が忙しい本はいまだかつてあったのだろうか…と。ひとつ言えるのは、令和の時代の探偵ものの定型がひとつここに誕生したんじゃないかということです。