あらすじ 見上げた空は、どこまでも青かったー。 あの「東京バンドワゴン」の歴史はここから始まった!堀田家のおばあちゃん、サチの娘時代。 下町大家族の絆を描いた大人気シリーズ番外編。
あることで身を追われることになった華族の娘、咲智子を、がらっぱちな青年・勘一がかくまうことに。 貿易商を営む、青い眼をした若き美男子・ジョーや、日本人離れした艶やかさと歌唱力をもつジャズシンガー・マリア。着流し姿の年齢不詳、元陸軍情報部の軍人・和泉十郎。その強くて優しい仲間たちに、しだいに彼女は心を許していく。
堀田家の一員として日々を送る中、サチの両親が軟禁されている館をつきとめた一同は、ある作戦をもとに潜入する…。

想像を膨らませた番外篇
 番外篇を書こうという話になったときに真っ先に思い浮かんだのが、終戦当時の「サチと勘一の出会い」でした。資料の当時の写真の中に、まさに終戦のその日、瓦礫の街をスーツ姿で颯爽と歩く人物が写っているものがありました。僕らが見聞きしてきた終戦当時の庶民の様子は悲惨なものばかりでしたが、そうではない、ある層の人たちもいたのだろうな、と想像を膨らませた部分もあります。どんな時代にも強く生きた人々がいて、そうして自分たちがここにいるんだということも描きたかったのです。